飼っている猫が突然吐いて、驚いた経験はありませんか?
猫初心者だと病気かとびっくりしますが、猫は基本的によく嘔吐するんです。
猫が吐いたからといって、過度に心配する必要はありません。
ただし、問題は嘔吐の仕方や頻度です。
場合によっては病気の可能性もありますので、
きちんと見極めて適切な対処をしてあげてくださいね。
今回の記事では、猫が嘔吐する理由や嘔吐のパターン、
動物病院を受診するべき危険なケースなどを紹介していきます。
猫の飼い方に関する記事も書いています。
猫を飼い始めたばかりの人は、ぜひ読んでみてください。
猫は毛玉を排出するために吐く
猫が自分の舌で毛並みを整える、グルーミングはご存じですよね?
猫たちはグルーミングで抜けた毛を、そのまま飲み込みます。
すると消化せず胃に毛が残ってしまうため、
定期的に毛のかたまり(毛玉)を吐き出すんです。
多くの場合、飼い主さんが驚く猫の嘔吐はこのケース。
では、毛玉の嘔吐の場合、どのような吐き方をするのか説明しますね。
毛玉は細長い形をしていることが多い
毛玉と聞くと丸い形を想像しがちですが、
実は猫が吐く毛玉は細長い形をしているケースが多いです。
あまり良くない例えですが、ちょうど猫のウンチのような形をしていることも。
さらに湿っていますので、初めて見た人は毛玉だと思わないかもしれませんね。
でも普通に丸っぽい形をしていることもありますよ。
よ~く見ると、毛のかたまりであることが分かるはずです。
吐かれると困る場所のときは、やさしく移動させてあげてね。
吐く頻度は月1回程度なら病気の心配なし
毛玉を吐く頻度は、月1回程度ならまず問題はありません。
一般的には、1~3ヶ月に1回くらい嘔吐する猫が多いです。
ただ個体差がありますし、短毛種と長毛種によっても事情が異なります。
実際、過去に私が飼っていた猫の中には、
半月に1度くらいのペースで吐く子もいましたが、
動物病院を受診したところなにも問題はないと言われました。
吐かないのも問題!毛球症になることも
猫は毛玉を吐くのが当たり前の動物です。
逆にまったく嘔吐しない場合、毛玉を排出できていない可能性があります。
グルーミングで飲み込んだ毛は、
量が少なければ便と一緒に排出されるのですが、
便からも排出されず、毛玉を吐きもしていない、となれば問題です。
毛球症のおそれがありますので、動物病院に相談したほうがいいでしょう。
毛球症の原因や症状は?
猫のなかには吐くことが苦手な子もいます。
その場合、便と一緒に排出できる毛の量を超えていると、
胃で作られた毛玉がそのまま残ってしまうことに。
すると消化不良や食欲不振などを起こしがちです。
また、毛玉が腸まで移動した状態で詰まることもあり、
腸閉塞などの重大な病気にもなりかねません。
実は毛玉を吐くことも毛球症の症状のひとつですが、
先ほど話したように月1度程度であれば通常は問題ないんです。
- 毛が生え変わる時期(換毛期)で飲み込む毛の量が増えている
- 長毛種のため毛の量が多い、毛が絡みやすい
- ブラッシング不足で飲み込む毛の量が多くなっている
- ストレスによるグルーミングのしすぎ
猫を病気から守る毛球症対策はコレ!
毛球症から愛猫を守るには、毛球症対策が欠かせません。
キーポイントは先ほど触れた、毛球症の主な原因です。
つまり猫が飲み込む毛の量を、できるだけ減らすようにしてあげます。
基本的にはこまめにブラッシングしてあげること。
特に長毛種の猫は最低でも日に1回、できれば日に2回はしたいところです。
換毛期も同じく、日頃以上にこまめなブラッシングを心がけましょう。
ストレス解消のため、定期的に遊んであげることも大事ですよ!
少しずつ部位を分けて、何度かに分けてブラッシングしてあげよう!
1回あたりは短時間で終わらせるようにね。
毛玉以外の嘔吐を繰り返すときは要注意!
猫が嘔吐したけれど、毛玉は吐いていない。
という症状が続く場合は要注意です。
1度や2度ならとりあえず様子見ですが、
嘔吐を繰り返したり嘔吐物に血が混じったりしている場合は、
すぐ動物病院へ直行してください。
では、毛玉以外が原因で嘔吐するケースを以下に挙げてみます。
胃腸炎を起こしてしまっている
食中毒であったり、なんらかの感染症であったり、
さまざまな要因で胃腸炎を起こしている可能性があります。
猫によってはキャットフードが変わると胃腸炎を起こす子も。
- ワクチンを必ず摂取する
- 使いかけのキャットフードはきちんと管理する(冷蔵など)
- キャットフードを変えるときは少しずつ混ぜながら
上記のような最低限できることは、常日頃から実施しておきましょう。
異物を飲み込んでしまった
異物を飲み込んだことが原因で、
胃から出血したり嘔吐したりするケースもあります。
普段問題ないようにみえても、
意外と飼い主の見ていない場所で異物を誤飲していることが。
特に包装パッケージのフィルムや輪ゴムなどは要注意です。
猫を飼うなら、
- ゴミは一瞬たりとも放置せず即ゴミ箱にすてる!
- ゴミ箱は極力フタ付きのゴミ箱を!(雑誌等でフタをするのも有り)
この2点を強く推奨します。
ストレスが溜まっている
毛球症の項でも話しましたが、ストレスが原因で吐くことも。
遊んであげることで症状が治まれば問題ないんですが、
ストレスの原因は遊び不足(運動不足)だけとは限りません。
下記を参考に、改善の工夫をしていただければと思います。
思い当たるものがなく、嘔吐も収まらなければ動物病院へ相談です。
- 運動不足(遊び足りない)
- 引っ越しなどで生活環境が変わった
- 新しく他の猫を迎え入れた
- トイレの掃除が行き届いていない
- 騒音の激しい環境にいる
便秘が原因で嘔吐することも
実は便秘が原因で、嘔吐するケースもあります。
1~2日程度の便秘なら心配はありませんが、
それ以上続くようであれば少々問題です。
猫が嘔吐を繰り返す場合、
健康に排便できているかどうかもチェックしてみてください。
不安が残るなら迷わず動物病院へ!
以上、猫が吐くときの原因、症状、対処法などを説明してきました。
ひとつ間違ってほしくないのは、
今回書いた記事の内容がすべてではないということです。
一般的な例とはまったく異なる症状が出る猫もいますし、
嘔吐が多くてもなにも健康問題がない猫もいます。
少しでも不安に感じる部分があるようなら、
迷わず動物病院を受診してください。
猫は言葉が話せませんから、飼い主が行動してあげるしかありませんものね。
どうかみなさんが良き猫ライフを送れますように。