いまや当たり前となった猫の避妊・去勢手術ですが、
手術後に猫の性格が変わってしまうことがあるのをご存じですか?
すでに猫を飼っていて、
「最近なんだかうちの子の性格が変わったような…」
と疑問を感じていたあなたは、避妊・去勢手術が原因かもしれませんよ!
原因が判明して、ストレスや病気等でないと気づければ、
余計な心配をする必要もなくなりますね。
では、どのように性格が変化することがあるのか、
説明していきますのでぜひ参考にしてみてください。
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性格が変わるというのは(やや)間違い!
よく言われる「避妊・去勢手術をすると性格が変わる」という噂ですが、
実は“性格が変わる”というのは間違いです。
正しくは、“避妊・去勢手術を行うことで猫の行動が変わる”ということになります。
ホルモンバランスの変化で、本来する行動を一部しなくなるんですね。
そのため、性格が変わってしまったように感じるんです。
ただ、後で触れますが性格そのものが変わるケースもあるため、
完全に間違いというわけではなく、やや間違いというべきでしょうか。
では、猫が避妊・去勢手術をすることによって、
どのような行動の変化があるのかを紹介していきましょう。
噛み癖や他の猫とのケンカが少なくなる
猫はとても縄張り意識の強い動物で、
他の猫が自分のテリトリーに入ると猛烈な勢いでケンカをすることも。
しかし、避妊・去勢手術をすると縄張り意識が低くなり、
攻撃的な行動をとるケースが少なくなります。
そのため、噛み癖やスプレー行動(マーキング)、脱走などの行動も
少なくなったり、まったくなくなったりするでしょう。
これらの攻撃的な行動が減るということから、
猫の性格が変わったと感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
発情期の大きな鳴き声がなくなる
発情期、いわゆるさかりのついた時期の猫は、
雄叫びのような鳴き声をあげますが、避妊・去勢手術で基本的になくなります。
そもそも発情期の猫が鳴くのは、交尾をするための求愛行動です。
避妊・去勢を行うと、“子孫を残す”という行動をしなくなる(できなくなる)ため、
発情期もなくなり、大きな鳴き声をあげることもありません。
また、スプレー行動には、前項で触れたテリトリー意識のほか、
性的アピールの目的も含まれています。
そのため、発情期がなくなるという理由からも、
スプレー行動をしなくなる可能性は大きいです。
避妊・去勢手術の時期によって以前の行動が残る
避妊・去勢手術をすれば、噛み癖やスプレー行動、発情期の鳴き声などが
必ず治まるのかというと、そうとも言い切れません。
すでに猫が発情期を何度か経験していて、
スプレーや発情期に鳴く、などの行動が習慣化してしまっていると、
避妊・去勢手術後もそれらの行動を続ける場合があるんです。
そのため、猫に避妊・去勢手術を受けさせるのは、
最初の発情期がくる前、生後6~10ヶ月あたりが良いとされています。
もちろん猫の成長度合によっても異なりますので、
手術時期は獣医さんと相談して決めてくださいね。
避妊・去勢で性格が穏やかになる猫もいる!
避妊・去勢手術で変化するのは行動で、性格は変わらないと前述しました。
しかしあくまでも原則的な話で、
なかには実際に性格そのものが変わる猫もいるんです。
よく言われるのは猫の性格が穏やかになった、というもの。
ただ“穏やか”というのは、行動の変化でそう見えているのか、
性格が変化したのか判断しづらい部分がありますよね。
なので、どちらかといえば“穏やか”というより“甘えん坊”になる、
と考えたほうが分かりやすいかもしれません。
猫の飼い主さんからよく聞く性格の変化には、以下のようなものがあります。
- よくすり寄ってくるようになった
- 膝に乗ってくるようになった
- 抱っこをいやがらなくなった
どれも猫好きにとっては大歓迎のものばかりですね!
ただ、残念ながらうちで飼ってきた猫たちに関しては、
性格そのものが“甘えん坊になった”と感じたことはありません…。
他にも、
- いたずらをあまりしなくなった
- 外に出たがらなくなった
などが聞かれますが、
これらは性格の変化というより、行動の変化が原因といえるでしょう。
前述したホルモンバランスの変化によって、しなくなる行動ですね。
避妊・去勢手術後は肥満に要注意!
避妊・去勢手術を済ませた猫の多くは、太りやすくなってしまいます。
ホルモンバランスの変化によって、カロリー消費量が少なくなるからです。
これも必ず太るというわけではありませんが、
様子を見て「最近太り気味だな」と感じるようでしたら、
肥満対策をしてあげる必要があります。
デブ猫もかわいいですけど、肥満は他の病気にもつながりますしね。
では肥満傾向が見られた場合、どのような対策をするべきか紹介します。
肥満防止のキャットフードを与える
一番簡単にできる定番は、肥満防止のキャットフードを与えることです。
最近は各メーカーが肥満防止キャットフードを出しているので、
きっとあなたがこれまで使用していたメーカーにもあるでしょう。
“肥満防止用”とか“体重管理用”とか書かれていると思います。
一気に変えると猫が食べなくなることがありますので、
最初は以前のフードに少し混ぜて与えてみてください。
目安としては5分の1から4分の1くらい。
問題なく食べるようであれば、少しずつ割合を増やしていきます。
もし、食べてくれない場合は、
他のメーカーの肥満防止キャットフードを試してみましょう。
運動をさせる・遊んであげる
より健康的に肥満を防止するなら、
猫にじゅうぶんな運動をさせてあげることです。
猫じゃらし等のおもちゃを使って遊んであげたり、
ボール等を置いてひとりでも遊べるようにしたり。
上下運動ができるよう、キャットタワーを設置するのもいいですね。
もし運動のみで体重管理できるのであれば、
キャットフードを変える必要もありません。
ただ私の経験では、猫は成長するにつれて遊ばなくなる子が多く、
なかなか運動だけでダイエットさせるのは難しいように感じています。
基本的に特別接し方を変える必要はない
以上、避妊・去勢手術で起こる猫の変化について話してきました。
例外はあれど、基本的に変わるのは行動であって、
性格そのものが変わってしまうことはあまりありません。
仮に変わっても、飼い主との関係に影響が出るようなものでもないはずです。
特別構えることなく、いつもどおりかわいがってあげてください。
みなさんが、良き猫ライフをおくれますように。